「炎炎ノ消防隊」のアニメ化について、ネット上では「売上が爆死した」「円盤が107枚しか売れていない」といった衝撃的な噂が飛び交っています。しかし、その一方で原作漫画は2000万部を超え、アニメは第3期の制作・放送まで決定しています。
「なぜ売れないのに続編が作られるの?」
多くのファンが抱くこの疑問には、現代のアニメビジネスならではの明確なカラクリが存在しました。
この記事では、原作とアニメの具体的な売上データを比較検証し、「炎炎ノ消防隊」が爆死と言われながらも第3期(参ノ章)へと繋がった本当の理由を徹底解説します。
この記事でわかること
- 原作漫画の累計発行部数と人気の推移
- 噂の「円盤売上107枚」の真相と爆死説の背景
- 円盤が売れなくてもアニメ3期が制作できた4つの理由
- 海外人気や配信収益が支える現代のヒット構造
『炎炎ノ消防隊』原作漫画の売上|累計2000万部超えの大ヒット
まず前提として、原作漫画の「炎炎ノ消防隊」は決して爆死などしておらず、むしろ大成功を収めています。ここでは具体的な発行部数のデータからその人気ぶりを解説します。
完結時の発行部数と連載の軌跡
大久保篤先生による原作漫画「炎炎ノ消防隊」は、講談社の「週刊少年マガジン」にて約6年半(2015年〜2022年)連載されました。最終的な数字として、2022年5月時点で世界累計発行部数は2000万部を突破しています。
全34巻という長編で完結し、「ソウルイーター」に続く大久保先生のヒット作としてマガジン誌面を支え続けました。この「原作の圧倒的な地盤」こそが、アニメシリーズを継続させるための最大の基礎体力となっています。
アニメ放送による「相乗効果」の実績
2019年からスタートしたTVアニメは、原作の売上を大きく押し上げる役割を果たしました。特にアニメーション制作会社「david production」による炎の描写やアクションシーンが話題を呼び、放送期間中に原作コミックスの売上が急増しています。
アニメ単体の円盤売上だけを見れば苦戦したように見えますが、「原作を売るためのプロモーション」としては十分に機能しており、講談社にとってもアニメ化は大成功だったと言えるでしょう。作品の魅力については「『炎炎ノ消防隊』人気ない?その理由と魅力を解き明かす」でも深掘りしています。
アニメ円盤売上は爆死?「107枚」という数字の真実
原作が好調な一方で、なぜアニメ版は「爆死」というレッテルを貼られてしまったのでしょうか。ネット上で独り歩きしている「107枚」という衝撃的な数字の裏側と、当時の状況を整理します。
衝撃の数字「107枚」が生まれた背景
「炎炎ノ消防隊 爆死」の根拠として頻繁に挙げられるのが、第1期の特定のBlu-ray/DVD巻数が「初動107枚」と計測されたデータです。確かに数千枚売れるのがヒットの基準とされる円盤市場において、この数字は非常に低い水準でした。
しかし、これには「不人気」の一言では片付けられない3つの外的要因が絡んでいます。
- 視聴環境の変化(配信シフト):NetflixやAmazon Prime Videoなどの普及により、ユーザーが「円盤を買って見る」習慣から「配信で見る」スタイルへ完全に移行していた時期でした。
- 競合作品「鬼滅の刃」の存在:2019年の放送当時は「鬼滅の刃」が社会現象化しており、アニメ市場の話題と資金が一点に集中してしまった不運がありました。
- 集計外の販売ルート:一般のランキング集計に含まれない店舗特典付き予約や、イベント販売などが分散していた可能性も指摘されています。
つまり、円盤の枚数=作品の人気度という図式が、必ずしも成立しない時代に突入していたのです。
引用:炎炎ノ消防隊さん、円盤が107枚しか売れない | いま速
「作画は神、話は賛否」アニメ自体の評価
売上数字とは裏腹に、アニメ作品としてのクオリティは極めて高い評価を得ていました。
| 評価項目 | ファンの反応・評価 |
|---|---|
| 映像美・作画 | 炎の揺らめきや戦闘シーンの迫力は「神作画」と絶賛。業界内でも評価が高い。 |
| 音楽・主題歌 | Mrs. GREEN APPLEの「インフェルノ」をはじめ、OP/ED曲がYouTube等で大ヒットを記録。 |
| ストーリー構成 | 原作を忠実に再現しようとするあまり、「展開が早い」「説明不足」と感じる層もおり賛否が分かれた。 |
特に主題歌のストリーミング再生数やYouTubeでのPV再生数は凄まじく、円盤を買わないライト層や若年層には確実に届いていたことがわかります。
なぜ3期が作れる?円盤以外の「勝てる」収益構造
円盤売上が爆死ラインと言われながらも、なぜ最終章である第3期『参ノ章』の制作が決まったのか。ここが「炎炎ノ消防隊」のビジネスモデルの面白い点です。
円盤依存からの脱却!続編決定の4つの理由
2025年4月から放送される第3期は、分割2クールで原作の完結までを描き切る異例の好待遇です。この決定を後押ししたのは、以下の「円盤以外の収益」でした。
- 莫大な配信ライセンス収益:国内外の動画配信プラットフォームでの再生数が多く、円盤の赤字を補って余りある黒字を配信権料で生み出しました。
- 海外(北米・欧州)での熱狂的人気:日本以上に海外のアニメファンからの支持が厚く、海外版権やグッズの売上が非常に好調です。(参考:Wikipedia英語版)
- メディアミックス展開:スマホゲーム化やパチンコ・パチスロ化など、IP(知的財産)を活用したライセンスビジネスが成功しています。
- 原作完結への責任と期待:講談社にとって重要なIPであり、中途半端に終わらせず「完結まで映像化する」ことで、作品全体の資産価値を高める判断がなされました。
このように、現代のアニメビジネスは「円盤が売れたか」ではなく、「トータルでいくら稼げたか」で続編の可否が決まる構造になっています。「炎炎ノ消防隊」はその成功モデルの一つと言えるでしょう。
物語の持つ力がビジネスを動かした
数字上の成功もさることながら、作品が持つ「熱量」も無視できません。主人公シンラのヒーローとしての成長、世界の謎「アドラ」を巡る考察要素、そして大久保篤先生の前作『ソウルイーター』と繋がる世界観など、完結まで見届けたいと思わせる物語の強さが制作委員会を動かしました。
もし「炎炎ノ消防隊」の世界観にハマったなら、似た魅力を持つ作品と比較してみるのも面白いでしょう。「炎炎ノ消防隊に似たアニメ6選!共通点と魅力を深掘り解説」の記事もぜひ参考にしてください。
まとめ:売上データが証明する「炎炎ノ消防隊」の真価
「爆死」という噂に惑わされずデータを紐解くと、「炎炎ノ消防隊」が成功したコンテンツであることがよく分かります。
結論のまとめ
- 原作は大勝利:世界累計2000万部超えで、アニメ化がさらに売上を加速させた。
- 円盤爆死の真相:107枚という数字は配信シフトや市場変化の影響が大きく、人気そのものの欠如ではない。
- 3期制作の理由:配信収益、海外人気、ゲーム化などの多角的なビジネスが成功しているため。
「炎炎ノ消防隊」は、円盤至上主義の時代から、配信・グローバル展開重視の時代へとアニメビジネスが移り変わる象徴的な作品です。安心して第3期『参ノ章』の放送を楽しみましょう。
よくある質問(FAQ)
Q1. 炎炎ノ消防隊の原作漫画は全何巻ですか?売上は?
A1. 全34巻で完結しています。売上は2022年5月時点で世界累計2000万部を突破しており、大ヒット作品といえます。
Q2. アニメの円盤売上が107枚というのは本当ですか?
A2. はい、一部の巻数でそのような記録が出たことは事実です。しかし、これは「配信で見る」層が圧倒的に多かったことや、集計外の販売ルートなどの要因も関係しており、作品の人気が低いことを直接意味するものではありません。
Q3. 売上が悪いのに、なぜアニメ3期(参ノ章)やるの?
A3. 円盤売上以外での収益(動画配信、海外版権、グッズ、パチンコ化など)が十分に黒字化しているためです。トータルでのビジネスが成功しているため、続編制作が可能となりました。
Q4. 『炎炎ノ消防隊』は結局「爆死」扱いなの?
A4. いいえ、爆死ではありません。円盤市場だけで見れば苦戦しましたが、原作売上や配信人気を含めた総合評価では「成功した人気シリーズ」です。



