『タコピーの原罪』、本当に衝撃的な物語でしたよね!特に「え、まりなちゃん死んだはずなのに、なんで高校生で出てくるの!?」とか「しずかちゃん、か弱い被害者かと思ったら、なんかやばくない…?」と、頭が「???」でいっぱいになった方も多いのではないでしょうか。


可愛らしい絵柄とは裏腹に、いじめや家庭問題といったヘビーなテーマを描き、多くの読者の心をえぐったこの作品。その中でも、物語の鍵を握る「高校生」時代のエピソードは特に複雑です。
この記事では、そんな『タコピーの原罪』の高校生編について、まりなとしずかの関係性や謎に包まれた行動の理由、そして感動の結末まで、どこよりも分かりやすく徹底解説していきます!この記事を読めば、物語の深さに改めて気づき、もっとこの作品が好きになること間違いなしでしょう。
- まりなが高校生で登場する時系列の謎
- しずかちゃんの「やばさ」の正体と背景
- まりなと母親の壮絶な家庭環境
- 最終的に二人が和解した感動の結末
タコピーの原罪、高校生の二人に何があった?
『タコピーの原罪』の物語は、小学生時代だけでなく、高校生になったまりなとしずかの姿も描かれており、その時間軸の複雑さが多くの読者を悩ませています。特に、死んだはずのまりながなぜ高校生として登場するのか、そして少女たちの行動の裏には何があったのか。ここでは、高校生編の核心に迫る謎を一つずつ解き明かしていきます。
まりなが一度死んで、また生きているのはなぜ?
結論から言うと、高校生のまりなちゃんが登場するシーンは、タコピーの「回想」であり、まりなちゃんが生き返ったわけではありません。物語の時系列は、読者が最初に見ていた小学生の物語がスタート地点ではなかったのです。
本来の時系列は以下のようになっています。
- 2022年:地球に来たタコピーが、最初に高校生のまりなちゃんと出会う。
- まりなちゃんは母親との関係に悩み、同級生の東くんと付き合うが、転校してきた高校生のしずかちゃんに東くんを奪われる。
- 絶望したまりなちゃんは母親を殺害してしまい、「小学生のときにしずかを殺しておけばよかった」と呟く。
- 2016年:その願いを叶えるため、タコピーは時間を遡って2016年の小学生時代へ。しかし、時間を超える際のペナルティで記憶を失ってしまう。
- 記憶を失ったタコピーが、小学生のしずかちゃんと出会う(物語の冒頭シーン)。
つまり、4話でタコピーがまりなちゃんを撲殺してしまうのは、記憶を失ったタコピーが引き起こした悲劇であり、11話で描かれる高校生のまりなちゃんは、タコピーが記憶を取り戻す中で思い出した「本来の過去」の出来事なのです。この複雑な構造が、「まりなが生き返った?」という大きな謎を生んでいたのですね。


しずかちゃんが「やばい」と言われる本当の理由
しずかちゃんが「やばい」と言われる理由は、彼女が持つ「無意識に人を操ってしまう魔性」にあります。これは、彼女が生まれつき持っていた性質というよりは、過酷な環境を生き抜くために身につけてしまった生存本能と言えるでしょう。
家庭では親からネグレクト(育児放棄)を受け、学校ではまりなちゃんたちから執拗ないじめを受ける。そんな極限状況で、彼女は「どうすれば人が自分のために動いてくれるか」を本能的に学習してしまったのです。
例えば、以下のような行動が彼女の「やばさ」を物語っています。
- 東くんを共犯者にする:まりなちゃんが死んだ後、東くんに「お願い」と手を握るだけで、彼を完全に虜にし、死体隠蔽の共犯者に引き入れました。
- 高校生編での略奪:高校生編の時間軸では、まりなちゃんと付き合っていた東くんを、転校してきて早々に自分の方へ向かせています。
これらの行動は、しずかちゃん自身が計算して行っているわけではないからこそ、より一層の恐ろしさを感じさせます。しかし、その背景には「もう一人ぼっちは嫌だ」という、彼女の切実な願いが隠れていることも忘れてはなりません。
まりなとお母さんのこじれた関係
まりなちゃんがしずかちゃんを執拗にいじめていた背景には、彼女自身の壮絶な家庭環境、特に母親との歪んだ関係がありました。まりなちゃんもまた、家庭という密室で苦しむ被害者だったのです。
まりなちゃんの家庭が崩壊したきっかけは、父親がしずかちゃんの母親(水商売の女性)に入れあげ、家庭を顧みなくなったことでした。これが原因で、まりなちゃんの母親は精神的に不安定になり、そのストレスや怒りの矛先を娘であるまりなちゃんに向けるようになります。


母親はまりなを自分の支配下に置くことで精神の安定を保とうとし、まりなは母親の機嫌を損ねないように「いい子」を演じ続けていました。作中でまりなちゃんが夏でも長袖を着ているのは、母親から受けたアザを隠すためだったと考えられています。さらに高校生編では、母親に割れたコップで顔を傷つけられたことも明かされました。
この「被害と加害の連鎖」こそが、『タコピーの原罪』のテーマの1つです。まりなちゃんは家庭での鬱憤を、原因を作った(と思い込んでいる)しずかちゃんにぶつけることで、なんとか自分を保っていたのです。
タコピーの原罪、高校生の二人が迎えた結末
複雑な時系列と辛い背景を持つ少女たち。物語は何度もループし、悲劇が繰り返されますが、最終的に彼女たちはどのような結末を迎えるのでしょうか。ここでは、タコピーが起こした最後の奇跡と、高校生になった二人の未来について解説します。
しずかちゃんが自殺を図った真相
物語の冒頭でしずかちゃんが首を吊って自殺するシーンは、多くの読者に衝撃を与えました。しかし、この死の真相にはタコピーの存在が大きく関わっています。結論として、しずかちゃんの自殺は、タコピーがいなければ「未遂」に終わっていた可能性が高いです。
なぜなら、しずかちゃんが自殺に使ったのは、タコピーのハッピー道具「仲直りリボン」だったからです。この道具を使ったことで、彼女の自殺は成功してしまいました。
タコピーが介入しなかった本来の世界線では、しずかちゃんは普通のロープで自殺を図りますが、ロープが切れて未遂に終わります。その後、児童相談所に保護されたり、離婚した父親に引き取られたりして地元を離れ、転校することになったと考えられています。高校生編で彼女が転校生として登場するのは、このためです。
つまり、しずかちゃんを笑顔にしようとしたタコピーの善意が、結果的に彼女を死に追いやってしまうという、あまりにも皮肉な構図がここにはあったのです。
まりなとしずか、二人の最後の関係
物語の最終話、全ての記憶を取り戻したタコピーは、自らの命と引き換えに最後のタイムリープを行います。彼が作り出した新しい世界では、タコピー自身は存在しません。しかし、彼の願いは確かに届いていました。
最終的に、まりなちゃんとしずかちゃんは互いを理解し合う友人になります。
タコピーのいない世界でも、まりなはしずかをいじめていました。しかし、ある日しずかがノートに描いたタコの落書きを見た瞬間、二人は理由もわからないまま涙を流します。覚えていないはずのタコピーの存在が、二人の心に奇跡を起こしたのです。


お互いの家庭環境について軽口を叩き合えるほど、二人は強い絆で結ばれます。壮絶ないじめの加害者と被害者だった二人が、唯一無二の友人となる。これこそが、タコピーが本当に願っていた「一人ぼっちじゃない未来」であり、救いのあるハッピーエンドと言えるでしょう。この感動的な結末は、2021年12月から2022年3月まで「少年ジャンプ+」で連載された本作が、累計発行部数145万部を突破し、多くの賞賛を受けた理由の一つです。
まとめ
質問(Q): タコピーの原罪で、まりなはなぜ死んだのに高校生で登場するのですか?
回答(A): 高校生のまりなが登場するシーンは、タコピーの「回想」です。タコピーは最初に2022年の高校生のまりなと出会い、彼女の願いを叶えるために2016年にタイムリープしましたが、その際のペナルティで記憶を失っていました。
質問(Q): タコピーの原罪のしずかちゃんは、なぜ「やばい」と言われるのですか?
回答(A): 過酷な家庭環境やいじめを生き抜くため、無意識に人を操って自分の都合の良いように動かす術を本能的に身につけてしまったからです。その「魔性」な一面が「やばい」と言われる理由です。
質問(Q): まりなと母親の関係はどうしてこじれてしまったのですか?
回答(A): 父親がしずかの母親に入れあげ家庭を顧みなくなったことで、母親が精神的に不安定になり、そのストレスのはけ口としてまりなを虐待するようになったためです。まりなもまた家庭の被害者でした。
質問(Q): 物語の最後、まりなとしずかの関係はどうなりましたか?
回答(A): タコピーが命と引き換えに行った最後のタイムリープにより、二人は和解し、数年後の高校生時代にはお互いを理解し合う友人になるというハッピーエンドを迎えました。
この記事を通じて、『タコピーの原罪』の複雑な物語、特に少女たちの高校時代の背景や結末について、理解を深めていただけたでしょうか。一見すると絶望的な物語ですが、その裏にある時系列の仕掛けやキャラクターの心理が分かると、最後のシーンがより一層感動的に感じられますよね。家庭環境という逃れられない問題に苦しみながらも、少女たちが友情という救いを見つけるラストは、本当に見事でした。この衝撃的な物語は、アニメや漫画で何度でも楽しむことができますよ。ぜひ、その深い世界観にもう一度触れてみてください。この漫画はebookjapanで読むことが出来ます。最後までお読みいただき、ありがとうございました!