ガチアクタ
そのゴミは、価値になる。絶望の底から世界に牙を剥くダークファンタジー『ガチアクタ』が熱すぎる!
「あなたが今日捨てたゴミ、その行方を想像したことはありますか?」
そんな問いから始まる、常識がひっくり返されるような物語があります。今回、僕が胸を焦がすほどの熱量で紹介したいのが、裏那圭(うらなけい)先生が描くダークファンタジーマンガ『ガチアクタ』です。
物語の舞台は、富裕層が優雅に暮らす天界と、その住民が排出したゴミが降り注ぐスラム街「奈落」。主人公のルドは、奈落でゴミを拾い、修繕して売ることで生計を立てる少年です。彼は犯罪者の子孫として周囲から蔑まれ、汚いもののように扱われながらも、育ての親であるレグトの「ゴミに命を与える」という教えを信じ、ゴミの中に価値を見出して生きていました。
しかし、彼のささやかな日常は、ある日突然、無慈悲に引き裂かれます。レグトが何者かに殺され、その濡れ衣を着せられてしまうのです。弁解の余地も与えられず、潔白を叫ぶ声も虚しく、彼は奈落の民が最も恐れる場所――ゴミが怪物と化すと言われる「地の底」へと突き落とされてしまいます。
もしあなたが、信じていたもの全てに裏切られ、身に覚えのない罪で地の底へ突き落とされたとしたら、何を思いますか?絶望に染まるか、それとも怒りに燃えるか。
地の底でルドを待っていたのは、想像を絶する光景と、ゴミから創られた「道具(ジンキ)」を操り、ゴミの怪物「蛮族(クリーチャー)」と戦う「掃除屋」たちとの出会いでした。この出会いが、ルドの運命を、そしてこの歪んだ世界の真実を大きく揺るがしていくことになります。
魅力的なキャラクターたち
- ルド: ぶっきらぼうで口は悪いですが、その心の奥には育ての親への深い愛情と、理不尽な世界への強い怒りを秘めています。彼の不器用ながらも真っ直ぐな魂が、読者の心を鷲掴みにします。
- エンジン: ルドが地の底で出会う「掃除屋」の青年。飄々としていて掴みどころがありませんが、その実力は本物。彼の存在が、絶望の中にいたルドの新たな道標となります。
このマンガの「熱さ」の正体
僕が『ガチアクタ』にここまで惹かれる理由は、何と言ってもその圧倒的な画力と、胸の奥を抉るようなテーマの深さです。緻密に描き込まれたスラム街、躍動感あふれるバトルシーンは、ページをめくる手を止めさせてくれません。
そして何より、「価値がない」と捨てられたモノにこそ価値がある、というテーマが強く心に響きます。社会からつま弾きにされた者たちが、世間からゴミとして扱われたモノを武器に、理不尽な世界へ反逆していく姿は、ただただ胸が熱くなります。
これは単なるバトルマンガではありません。ルドの戦いは、私たちに「本当の価値とは何か」「誰がそれを決めるのか」を問いかけているのかもしれません。
絶望から這い上がる少年の物語が好きな方、心震えるような熱いバトルを求めている方、そして、今の世の中に何かやりきれない思いを抱えている方にこそ、ぜひ読んでほしい一作です。きっと、あなたの心にも熱い何かが宿るはずです。
【比較】安くない? いや、びっくりするほど安く全巻そろう電子書籍サイト