いずれ最強の錬金術師
【ネタバレなし】どん底からの大逆転!『いずれ最強の錬金術師』が描く、地味で最強なモノづくり英雄譚
毎日、毎日、終わらない仕事。死んだように働く日々に、もし終わりが来るとしたら?そして、次に目覚めたのが夢にまで見た剣と魔法の異世界だったとしたら…?
今回ご紹介するのは、そんな願望から始まる物語、『いずれ最強の錬金術師』です。よくある異世界転生モノと侮るなかれ。この作品には、泥臭くも胸が熱くなる、最高の下剋上ストーリーが待っています。
絶望から始まる物語。もし、あなたならどうする?
主人公のタクミ・イルマは、過労死した末に異世界へ転生するという、ある意味で「お約束」のスタートを切ります。女神様から与えられた職業は、響きだけはカッコいい「錬金術師」。
しかし、いざ冒険者としてパーティに加わってみると、錬金術師は戦闘では役に立たない「不遇職」の烙印を押されてしまいます。攻撃魔法が使えるわけでも、屈強な肉体を持つわけでもない。ただひたすらにアイテムを作り出すその能力は、仲間たちから容赦なく「無能」と切り捨てられるのです。
息も詰まるような気まずさ、役立たずと罵られる日々。そしてついに、彼はパーティから追放されてしまいます。期待に胸を膨らませてやってきた異世界で、たった一人、荒野に放り出される絶望。もしあなたが同じ状況に立たされたとしたら、そこで心を折らずにいられるでしょうか?
しかし、タクミの物語はここからが本番。彼が持つ錬金術の真価と、前世で培った日本人ならではの真面目さと発想力が、この世界で唯一無二の輝きを放ち始めるのです!
個性豊かなキャラクターたち
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タクミ・イルマ
本作の主人公。不遇職と蔑まれながらも、決して腐らずに自分の能力と向き合う努力家。彼の謙虚で誠実な人柄が、自然と周りに人を集めていきます。決して驕らず、地道な作業をコツコツと続ける姿は、まさに理想の上司(?)かもしれません。 -
魅力的な仲間たち
タクミを異世界へ導いたちょっとお茶目な女神様や、彼の才能を最初に見抜いてくれる心強い相棒など、タクミの人柄に惹かれて集まる仲間たちが物語を彩ります。彼らとの心温まる交流も、この作品の大きな魅力の一つです。
この「地味な最強」が、たまらなく面白い!
私がこの作品にどっぷりハマってしまった最大の理由は、その「成り上がり方」にあります。
派手なスキルで敵をなぎ倒すのではなく、錬金術という一見地味な能力を駆使して、誰も思いつかなかった方法で道を切り拓いていく。その過程にある試行錯誤や創意工夫が、本当に面白いんです。
「こんなポーションが作れたら…」「この素材を組み合わせたらどうなる?」そうやって一つ一つ課題をクリアしていく姿は、まるで難解なパズルを解き明かすような爽快感があります。スローライフを送るはずが、気づけば国家レベルの問題を解決していた…なんていう、本人の意図とは裏腹にどんどんスケールが大きくなっていく展開には、ワクワクが止まりません。
どん底から始まる、地味で最高な英雄譚『いずれ最強の錬金術師』。
派手なだけではない、じっくりと面白さを噛みしめられる作品を読みたいあなたに、心からおすすめします。ぜひ、タクミの錬金術が世界をどう変えていくのか、その目で見届けてください!
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