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カラオケ行こ

絶妙な気まずさと愛おしさが爆発する物語『カラオケ行こ!』を全力でオススメしたい!

もし、ある日の放課後、見ず知らずのヤクザに「カラオケ、行こ!」と声をかけられたら、あなたならどうしますか?

そんな突拍子もない状況から始まるのが、和山やま先生が描くマンガ『カラオke行こ!』です。今日は、私がどハマりしてしまったこの作品の魅力を、ネタバレなしで熱く語らせてください!

恐怖と笑いの狭間で始まる、奇妙なレッスン

物語の主人公は、合唱部の部長を務める真面目な中学生・岡聡実(おか さとみ)くん。彼は変声期という悩みの真っただ中にいました。ある雨の日、練習を終えた聡実くんの前に現れたのは、見るからにカタギではない一人の男。成田狂児(なりた きょうじ)と名乗るそのヤクザは、聡実くんに信じられないお願いをしてきます。

「カラオケ、教えてくれへん?」

聞けば、狂児が所属する組では年に一度、恐怖のカラオケ大会が開催されるとのこと。そして、歌が最も下手だった者は、組長直々に「この世で最もおそろしい罰」…もとい、前衛的すぎるタトゥーを彫られてしまうというのです。絶対に最下位は避けたい狂児は、合唱コンクールで歌っていた聡実くんに白羽の矢を立てたのでした。

断れば何をされるかわからない。そんな恐怖に震えながらも、聡実くんはヤクザのカラオケレッスンを引き受けることになります。放課後のファミレスで繰り広げられる、ヤクザと中学生のマンツーマンレッスン。想像してみてください。ヤクザがマイクを握りしめ、中学生の指導に一喜一憂するその光景を。もうこの時点で、シュールな笑いが止まりません。もし自分が聡実くんの立場だったら、この絶体絶命の状況をどう乗り切るだろう…なんて考えずにはいられません。

この二人が、たまらなく愛おしい

この物語の最大の魅力は、なんといっても聡実くんと狂児、この二人のキャラクターにあります。

岡聡実くんは、ヤクザを前にして内心ビクビクなのに、歌のことになるとつい真面目なダメ出しをしてしまう、根が実直な男の子。彼の思春期ならではの繊細な心の揺れ動きが、丁寧に描かれていて胸が締め付けられます。

一方の成田狂児は、一見すると怖いヤクザですが、カラオケが下手なことを本気で悩み、聡実くんのアドバイスに素直に耳を傾けるなど、どこか憎めない愛嬌の持ち主。大人びていながらも、時折見せる少年のような一面に、気づけば惹きつけられてしまいます。

笑いの先にある、忘れられない余韻

私がこの作品に心を掴まれたのは、ただ面白いからだけではありません。最初は恐怖でしかなかった二人の関係が、カラオケという共通の目的を通して、少しずつ奇妙な絆で結ばれていく。その過程が、本当に絶妙なんです。

和山やま先生の描く独特の間と、クスッと笑えるセリフの応酬。その中にふと現れる、エモーショナルな一瞬。笑っていたはずなのに、気づけば登場人物たちの感情に寄り添い、胸がじんわりと温かくなっている。そんな不思議な読書体験が、このマンガには詰まっています。

『カラオケ行こ!』は、コメディが好き、少し変わったバディものが好き、そして心に残る人間ドラマに触れたい、そんなすべての人に読んでほしい一冊です。この奇妙で愛おしい二人の物語を、ぜひあなたも体験してみてください。読み終わった後、きっと誰かとカラオケに行きたくなっているはずですから。

 

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