メダリスト
氷上で燃える魂の物語!マンガ『メダリスト』が熱すぎて心が震える
「もう、頑張れないかもしれない…」
人生で一度でもそんな風に感じたことがある人に、今、心の底からおすすめしたいマンガがあります。それが、つるまいかだ先生が描くフィギュアスケート漫画、『メダリスト』です。
この物語は、単なるスポーツ漫画ではありません。夢に破れた者と、夢の入口にさえ立てなかった者が出会い、互いの人生を照らし出す、魂の再生の物語です。
絶望の淵で出会った、二つの孤独な魂
物語の幕開けは、凍てつくような孤独と絶望の中。
主人公の一人、結束いのりは、スケートを心から愛しているにもかかわらず、家庭の事情でまともな指導を受けられずにいる小学5年生。誰にも見てもらえないリンクで、たった一人、自己流の練習を繰り返す日々。周囲からは冷たい視線を向けられ、夢を諦めるしかない現実が、容赦なく彼女の心を凍らせていきます。小学生として出場できる、最後の大会。そこで結果を出せなければ、もうスケートを続けることはできない…。そんな崖っぷちに、彼女は立たされていました。
もう一人の主人公は、明浦路司(あけうらじつかさ)。彼もまた、夢に破れたスケーターでした。かつては全日本選手権にも出場した実力者でありながら、怪我と家庭の事情で現役を引退。指導者への道も閉ざされ、アイスショーのオーディションに落ち続ける日々を送っていました。氷の上で輝くことへの未練を燻らせながら、人生の目標を見失いかけている青年。
そんな二人が、運命に導かれるように出会います。
もし、あなたが全てを諦めかけたその瞬間に、自分の人生を懸けてでも育てたいと思えるほどの、荒削りながらも圧倒的な才能の原石に出会ってしまったら、どうしますか?
司は、いのりの瞳の奥に宿る、決して消えない情熱の光を見つけ出します。そして、いのりは、自分のスケートを初めて「見て」、その価値を信じてくれた司に、最後の希望を託すのです。
こうして、目標を見失った元スケーターと、夢を諦めかけた少女の、世界一熱い二人三脚が始まります。
不器用で、最高に魅力的な二人
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結束いのり
天真爛漫で、一度決めたら決して諦めない強い意志を持つ少女。彼女のひたむきな努力と、リンクの上で見せる圧巻の表現力には、誰もが心を奪われるはず。彼女が流す涙も、満面の笑みも、全てが応援したくなります。 -
明浦路司
選手としては挫折しましたが、いのりの才能を信じ、指導者として全てを捧げることを決意した情熱家。スケートへの知識と愛情は本物ですが、どこか不器用で人間味あふれる姿が魅力的。彼の熱血指導が、いのりの才能を覚醒させていきます。
心が震えるほどの熱量がここにある
私がこの作品にこれほどまでに惹きつけられるのは、その圧倒的な「熱量」です。作者の画力も素晴らしく、フィギュアスケートの演技シーンは、まるで本当に試合を観戦しているかのような疾走感と美しさ。キャラクターたちの喜び、悔しさ、焦りといった感情が、ページの中からダイレクトに流れ込んできて、気づけば涙がこぼれていました。
夢を追うことの厳しさ、そして、それ以上に素晴らしいこと。誰かと手を取り合って一つの目標に向かうことの尊さ。『メダリスト』は、そんな普遍的なテーマを、フィギュアスケートという舞台を通して鮮やかに描き出しています。
何かに挑戦して挫折した経験がある人なら、きっと司の言葉の一つひとつが胸に深く突き刺さるでしょう。
もし、あなたの心にくすぶっている情熱の炎があるのなら、この物語が再び火を灯してくれるかもしれません。『メダリスト』は、明日へもう一歩踏み出す勇気をくれる、そんな傑作です。ぜひ一度、この熱い氷上の物語に触れてみてください。
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