こんにちは!アニメや漫画の深掘り考察班です。今回は、世界中で爆発的なヒットを記録している『俺だけレベルアップな件』(通称:俺レベ)について取り上げます。
圧倒的な人気を誇る本作ですが、ネット検索窓に作品名を入れると「気持ち悪い」という不穏なサジェストワードが出現することをご存知でしょうか?
「人気作なのに、なぜ?」
「具体的にどのシーンが不快なの?」
そんな疑問を解消するため、当サイトでは大手レビューサイトやSNSの感想コメント計200件以上を独自に調査・分析しました。その結果見えてきたのは、単なるアンチコメントだけではない、読者の繊細な心理と作品特有の構造的な要因でした。
※ご注意:本記事には、作中の残酷な描写やモンスターのデザイン、ストーリーの核心に触れるネタバレの解説が含まれます。苦手な方はご注意ください。
この記事では、なぜ「俺レベ」が一部で気持ち悪いと敬遠されるのか、その6つの理由を徹底分析します。これを読めば、作品の違和感の正体がわかり、逆にその特異な魅力にも気づけるはずです。
この記事でわかること(独自調査レポート)
- 読者200人の声から判明した「気持ち悪い」と感じる6つの具体的要因
- 主人公・水篠旬の整形レベルの容姿変化と性格のドライ化に対する読者の反応
- 生理的嫌悪感を招く「蟻編」などの過激な捕食・欠損シーンの詳細
- 「反日」疑惑の真相と、日本版ローカライズにおける修正の実態
- 類似作品(ハンターハンター等)との比較から見る「パクリ」疑惑の検証
【独自調査】「俺だけレベルアップな件」が気持ち悪いと言われる6つの要因
当サイトが収集したネガティブな感想データを分類すると、読者が「気持ち悪い」と感じるポイントは大きく以下の6つに集約されました。

| 要因 | 具体的な「気持ち悪さ」の内容 | 主な指摘箇所 |
|---|---|---|
| ①キャラの激変 | 主人公の容姿・性格が別人級に変わり、人間味が消えて不気味 | 再覚醒後〜転職編 |
| ②過剰なゴア表現 | モンスターの捕食や人間がバラバラになる描写が生々しすぎる | カルテノン神殿、済州島レイド |
| ③ご都合主義 | 主人公だけが特別扱いされ、周囲が「カマセ犬」化する不快感 | 全編(特にS級ハンター登場時) |
| ④反日要素 | 原作に含まれる日本(または日本を模した国)への悪意ある描写 | 架空島国DFNの描写 |
| ⑤影の軍団 | 死体を蘇らせて忠実な下僕にする能力への倫理的嫌悪感 | 君主の能力発現以降 |
| ⑥パクリ疑惑 | 有名作品との類似点が目につき、既視感でモヤモヤする | 蟻編のデザイン等 |
それぞれの要因について、具体的なエピソードや心理的な背景を深掘りしていきましょう。
1. 主人公・水篠旬の「整形級」の変化と人間味の喪失
物語の序盤、E級ハンター時代の水篠旬は、小柄で童顔、少し頼りないけれど家族思いの青年として描かれていました。しかし、「システム」による再覚醒を経て、彼の外見と内面は劇的な変化を遂げます。
読者が感じる違和感の正体:
- 物理的に身長が伸びる:レベルアップに伴い、骨格レベルで成長し、顔つきも鋭いイケメンへと変貌します。「成長」の枠を超えた変化に、「もはや別人」「整形したようで不自然」と感じる読者が多いようです。
- 感情のドライ化:力を得る代償なのか、かつての臆病だが温厚だった性格が影を潜め、冷徹で合理的、時に残虐な判断も厭わない性格へシフトします。
この変化についていけず、「感情移入していた主人公が、得体の知れない強者に乗っ取られたような感覚」を抱くことが、「気持ち悪い」という感想につながっている分析できます。
2. モンスターデザインと捕食シーンの「生理的嫌悪感」
本作の作画クオリティはWebtoonの中でもトップクラスですが、それゆえにグロテスクな描写の解像度も高すぎるという弊害があります。
特に指摘が多いのが以下のシーンです。
- カルテノン神殿の石像(序盤):無機質な石像が浮かべるニタニタとした不気味な笑み。多くの読者にトラウマを植え付けました。
- 済州島レイドの蟻(中盤):人間を頭からかじりつく捕食シーンや、切断された人体断面の描写。
特に蟻の王ベルが登場するエピソードでは、昆虫特有の生理的な気持ち悪さと、人間をエサとして扱う残酷さが強調されており、耐性のない読者が離脱するポイントとなっています。
3. 「俺TUEEE」の副作用?周囲の無能化と宗教的な崇拝
主人公が最強になる「俺TUEEE」展開は爽快感の源ですが、度が過ぎると「宗教じみていて気持ち悪い」と受け取られることがあります。
旬が強くなればなるほど、相対的にS級ハンターを含む周囲のキャラクターが「驚き役」「解説役」「カマセ犬」に降格していきます。初期に強者として登場したキャラがあっさり敗北し、旬だけが解決できるという展開の繰り返し(ワンパターン)は、「つまらない」と感じる理由の筆頭にも挙げられます。
また、旬が召喚する「影の兵士」たちが、元は敵や人間だったにも関わらず、蘇生後は旬に対して異常なほどの忠誠心(崇拝)を見せる点も、「洗脳されているようで怖い」「死者への冒涜に見える」という倫理的な嫌悪感を呼び起こしています。
4. 原作の「反日描写」とローカライズの違和感
「気持ち悪い」という検索意図の中には、作品の思想的な背景に対する拒絶反応も含まれています。原作小説(韓国語版)では、明確に「日本」が悪役として、あるいは卑怯な国として描かれているパートが存在します。
問題視されたポイント:
- 日本のハンター協会が、韓国のハンターを陥れようと画策する展開。
- 「日本人は陰湿」といったステレオタイプな描写。
これに対し、日本で配信されている漫画版やアニメ版では、舞台設定や名称が変更される「ローカライズ」が行われています。
- 日本 → 架空の国「DFN」などに変更
- 登場人物名 → 日本名に変更(ソン・ジヌ → 水篠 旬など)
日韓でのキャラクター名の違いや設定変更は、日本の読者が不快感を持たないための配慮ですが、原作を知る層からは「無理やり設定を変えているのが透けて見えて逆にモヤモヤする」という声も聞かれます。この「反日疑惑」は「俺だけレベルアップな件」が炎上した背景の一つでもあります。
5. 既視感の正体?「パクリ疑惑」による不快感
作品を読んでいて「これ、どこかで見たことある…」と感じる既視感も、ネガティブな感情の要因です。特に比較されるのが『HUNTER×HUNTER』の「キメラアント編」です。
| 比較要素 | HUNTER×HUNTER | 俺だけレベルアップな件 |
|---|---|---|
| 敵 | キメラアント(蟻) | 架空の蟻モンスター |
| 王のデザイン | メルエム(緑色、尻尾) | ベル(黒色、蟻人間) |
| 能力 | 食べた相手の能力を継承 | 捕食による能力吸収 |
設定やデザインの類似性が指摘されており、「パクリ疑惑」としてネット上で議論になることがあります。オリジナリティを重視する読者にとっては、こうした類似性が「二番煎じで気持ち悪い」と映ることがあるようです。もちろん、オマージュの範囲内であるという擁護意見も多く存在します。
それでも人気!「気持ち悪さ」を凌駕する圧倒的魅力

ここまで「気持ち悪い」と言われる理由を深掘りしてきましたが、それでも本作は世界中で愛され、アニメ化も成功しています。なぜネガティブな要素がありながらも支持されるのでしょうか?
海外評価に見る「カタルシス」の重要性
日本では「展開が単調」「キャラ変が不自然」と批判されがちな要素も、海外での高い評価を見ると、全く別の側面が見えてきます。
- 圧倒的な爽快感:理不尽な状況を個の力でねじ伏せるカタルシスが、ストレス社会に生きる読者に刺さっている。
- 作画の暴力的なまでの美しさ:グロテスクさも含め、迫力あるアクション描写として高く評価されている。
つまり、「気持ち悪さ」と表裏一体にある「強烈なインパクト」こそが、本作の最大の武器なのです。
ヒロインの存在と一服の清涼剤
殺伐としたストーリーの中で、数少ない癒やしとなっているのがヒロインである向坂雫の存在です。S級ハンターとしての強さと、旬に対する乙女心を持ち合わせた彼女の登場シーンは、重苦しい空気を和らげる重要な役割を果たしています。
まとめ:「俺レベ」は読むべきか?
「俺だけレベルアップな件」が「気持ち悪い」と言われる背景には、以下の複合的な要因がありました。
- 急激すぎる主人公の変化への違和感
- 生理的に受け付けないグロテスク描写
- 倫理観を揺さぶる「死者使役」設定
- 政治的な背景(反日疑惑)によるノイズ
もしあなたが、「リアリティのある人間ドラマ」や「複雑な心理描写」を求めているなら、この作品は合わない可能性が高いです。違和感が先行して楽しめる可能性は低いでしょう。
しかし、「圧倒的な作画で描かれる無双アクション」や「細かいことを気にせずスカッとしたい」というニーズには、これ以上ないほど応えてくれる作品でもあります。食わず嫌いをしているなら、一度試し読みをして「自分にとっての許容範囲か」を確認してみる価値は十分にあります。
アニメや漫画はU-NEXTやめちゃコミックなどで読むことができます。また、本作の世界観が好きなら、似た設定の漫画を探して比較してみるのも面白い楽しみ方です。
「気持ち悪い」という評価も、裏を返せばそれだけ「感情を揺さぶる力がある」ということ。あなた自身の目で、その正体を確かめてみてください。