『タコピーの原罪』を読んでいて、第1話と途中からの展開のギャップに「あれ?時系列どうなってるの?」と混乱した方は多いはずです。
特に衝撃的なのが「第1話で死んだはずのまりなちゃんが、なぜか高校生になって登場する(第11話周辺)」という矛盾。さらに、か弱い被害者に見えたしずかちゃんの不穏な言動にも、背筋が凍る思いをしたのではないでしょうか。
可愛らしい絵柄に隠された、いじめや毒親といった壮絶なテーマ。その核心部分である「時系列の謎」と「高校生編の真実」を知ることで、この物語は真の意味で完結します。
この記事で深掘りする謎
- ✅ なぜ死んだはずのまりなが高校生で生きているのか?(時系列の完全図解)
- ✅ タコピーが記憶を失った「本当の原因」
- ✅ しずかが「やばい・怖い」と言われる心理的要因と生存戦略
- ✅ 最終回で二人が選んだ「本当の結末」
この記事では、読者が最も混乱しやすい『タコピーの原罪』の時系列トリックと高校生編の真実について、図解的な整理とともに徹底解説します。
「まりなが生き返ったわけではない」という残酷な真実を知れば、もう一度第1話から読み返したくなること間違いなしです。
【時系列解説】死んだまりなが高校生で生きている理由
『タコピーの原罪』最大の謎である「小学生編で死亡したまりなが、高校生として登場する理由」。結論から言うと、これは死者が蘇ったわけでも、並行世界(パラレルワールド)へ移動したわけでもありません。
真相:高校生編は「タコピーがなくした過去の記憶」
高校生のまりなちゃんが登場するシーン(第11話など)は、タコピーが地球に来て最初に体験した「本来の歴史(1周目)」の回想(フラッシュバック)です。
私たちが漫画の第1話から読んでいた「小学生編」は、実はタコピーがやり直した「2周目の世界」だったのです。時系列を整理すると、以下のようになります。
| 世界線(ルート) | 出来事と時系列 |
|---|---|
| ① 本来の歴史 (高校生編) ※タコピーの回想 (2022年) |
|
| ↓ タイムリープ |
【重要】2016年へ移動する際、掟を破った副作用でタコピーは「何のために過去へ来たか」という記憶を失う。 |
| ② 作中の現在 (小学生編) ※漫画の第1話〜 (2016年) |
|
物語の中盤でタコピーがしずかちゃんに殴られた際、その衝撃で「忘れていた本来の目的(高校生まりなを救うこと)」を思い出した描写こそが、あの高校生編の正体です。
第4話でタコピーがまりなちゃんを道具で殺害してしまったシーンは、「まりなを救うために未来から来たはずのタコピーが、過去のまりなを殺してしまった」という、あまりにも皮肉で残酷な展開だったのです。
しずかちゃんが「やばい・怖い」と言われる心理的要因
高校生編の回想を通じて、読者を震撼させたのがしずかちゃんの本性です。ネット上でも「ラスボス」「一番狂ってる」と評される彼女ですが、その行動原理は単なる悪意ではありません。
サバイバル本能としての「人心掌握」
しずかちゃんは、ネグレクト(育児放棄)といじめという極限状態を生き抜くため、無意識のうちに「他人に依存し、コントロールする術」を身につけてしまいました。
- 東くんへの依存と支配
小学生編では、まりなの死体遺棄に東くんを巻き込み、「お願い」の一言とスキンシップで彼を共犯者に仕立て上げました。 - 高校生編での略奪
本来の歴史(2022年)では、転校直後に東くんに取り入り、まりなから彼氏を奪っています。これは恋愛感情というより、「自分を守ってくれる居場所」の確保でした。
彼女にとってこれは計算高い悪女の振る舞いではなく、「誰かにそばにいてほしい」「一人になりたくない」という生存本能(SOS)の暴走です。この切実さが、他者を破滅させるほどの重い依存となり、読者に「底知れない怖さ」を感じさせたのです。
まりなと母親の共依存:被害者と加害者の連鎖
まりながしずかを執拗にいじめていた背景には、母親との壮絶な関係があります。
まりなの父親がしずかの母親(水商売の女性)に入れあげて家庭を捨てたことで、まりなの母親は精神崩壊。娘に「理想のいい子」を強要し、暴力で支配するようになりました。
最終回のネタバレ|高校生になった二人の「本当の結末」
幾度ものループと悲劇を経て、最終話では「3周目の世界」とも言える新しい結末を迎えます。
タコピーの自己犠牲と改変された世界
すべての記憶を取り戻したタコピーは、しずかちゃんが自殺してしまう「仲直りリボン」の因果を断ち切るため、自らの存在を犠牲にして最後のタイムリープを行います。
タコピーがいなくなった新しい世界では、彼の存在自体が消えています。しかし、彼の願いは二人の少女に奇跡を残しました。
- 自殺の回避
タコピーの道具(リボン)がないため、しずかの自殺は未遂に終わります(ロープが切れる)。 - 再会と和解
高校生になった二人は再会。しずかがノートに描いた「タコの落書き」を見た瞬間、二人は理由もわからず涙を流し、笑い合います。
かつて殺し合い、憎しみ合った二人が、「何気ない会話ができる友達」として並んで歩くラストシーン。劇的に家庭環境が改善したわけではありませんが、二人はもう孤独ではありません。これこそが、タコピーが命を賭して守りたかったハッピーエンドでした。
まとめ:タコピーの原罪は時系列を知るとより泣ける
最後に、物語の核心部分をQ&A形式で振り返ります。
- Q. まりなは死んだのになぜ高校生で登場する?
- A. あれはタコピーの「回想(記憶)」だからです。本来の歴史で高校生まりなに出会ったタコピーが、彼女を救うために小学生時代へタイムリープしたのが物語の始まりです。
- Q. しずかちゃんが「やばい」と言われる理由は?
- A. 孤独を回避するために、無自覚に他人をコントロールしてしまうからです。その執着心と行動力は、サバイバル本能によるものでした。
- Q. 結局、最後はどうなった?
- A. タコピーの犠牲により歴史が変わり、高校生になったまりなしずかは友人として和解するハッピーエンドを迎えました。
「まりな生存の謎」や「複雑な時系列」を理解してから読み返すと、タコピーの健気さや、少女たちの苦悩がより深く胸に刺さります。
絶望の中で見つけた一筋の光のようなラスト。ぜひもう一度、この衝撃的な物語を最初から噛み締めてみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!



