「あきない世傳 金と銀」の特別編を読みたい方、こんにちは!今回は、大人気時代小説「商いせいでん金と銀特別編」のあらすじと見どころをたっぷりご紹介します!


「あの登場人物のその後が気になる…」「本編で語られなかった過去が知りたい…」そんな思いを抱いていた方も多いのではないでしょうか?特別巻の上巻「契り橋」と下巻「幾世の鈴」は、まさにそんな読者の願いに応えた短編集なんですよ。


五鈴屋を出奔した惣次の行方、賢輔の幸への秘めた想い、結との確執…本編では描ききれなかった物語が、全8編の短編として美しく描かれています。江戸時代の呉服商を舞台に繰り広げられる人間ドラマは、読むほどに心が温まりますよね。
そして嬉しいことに、2025年4月からはNHK BSでシーズン2のドラマも放送予定!このブログを読めば、原作の魅力をより深く理解できるはずです。
さあ、江戸と大阪を舞台に、商いに生きる人々の物語を一緒に楽しみましょう!
この記事のポイント
- 特別巻の構成と内容
- 主要登場人物の詳細
- シリーズ全体の概要
- ドラマ化の情報
引用:『幾世の鈴 あきない世傳 金と銀 特別巻(下)』|ネタバレありの感想・レビュー - 読書メーター
「あきない世傳 金と銀」特別編のあらすじと魅力
「契り橋」と「幾世の鈴」の内容


「あきない世傳 金と銀」の特別巻は、上巻「契り橋」と下巻「幾世の鈴」の2冊からなる短編集です。それぞれ4つのお話が収められています。
上巻「契り橋」には次の4つのお話があります。
1.「風を抱く」 - 五鈴屋を出て行った惣次が、江戸で井筒屋の三代目保晴になるまでの物語
2.「はた結び」 - 真面目な佐助が昔の恋人の妹・ちかと出会い、新たな恋を育む物語
3.「百代の過客」 - 江戸店で働くお竹が老いを感じつつも、五鈴屋で働き続ける決意をする物語
4.「契り橋」 - 賢輔が幸への長年の想いを伝える物語


下巻「幾世の鈴」にも4つのお話があります。
1.「暖簾」 - 八代目店主周助が暖簾(のれん)を巡って悩み、決断する物語
2.「菊日和」 - 江戸で小間物商「菊栄」として頑張る菊栄の物語
3.「行合の空」 - 幸の妹・結がその後どうなったかを描いた物語
4.「幾世の鈴」 - 還暦を迎えた幸と夫の賢輔が五鈴屋の未来を考える物語
これらのお話は、本編では十分に描かれなかった登場人物たちの背景や心情を掘り下げています。特に「幾世の鈴」では、シリーズのタイトル「あきない世傳」の意味が明かされるという大切な場面もあります。本編を読んだ人にとっては、もっと知りたかった人物たちの物語が読めるので、とても嬉しいですね。
五鈴屋一族の物語と登場人物たち
「あきない世傳 金と銀」は、江戸時代の大阪と江戸を舞台に、呉服商(着物を売るお店)「五鈴屋」の人々の物語です。
主人公の幸を中心に、多くの個性的な登場人物たちが物語を彩ります。
主な登場人物
名前 | 役割 | 特徴 |
---|---|---|
幸(さち) | 主人公・五鈴屋の女主人 | 商才に長け、美人で思慮深い |
賢輔(けんすけ) | 九代目店主・幸の夫 | 幼い頃から幸を慕い続けた |
惣次(そうじ) | 元五鈴屋五代目・後の井筒屋保晴 | 幸への複雑な感情を抱えている |
結(ゆい) | 幸の妹 | 姉への嫉妬から敵対する |
佐助 | 江戸本店の支配人 | 生真面目な性格 |
お竹 | 江戸店の小頭役 | 幸を支え続けた年配の女性 |
菊栄 | 小間物商の店主 | 個性的で賢く、したたかな女性 |
周助 | 五鈴屋八代目店主 | 元は桔梗屋の人間 |
物語は、幸が9歳で大阪天満の呉服商へ奉公(住み込みで働くこと)に出されるところから始まります。
その後、幸は様々な困難を乗り越えながら、商人としての道を切り開いていきます。
特別巻では、本編では描ききれなかった登場人物たちの物語が描かれています。
例えば、五鈴屋を出奔した惣次がどのようにして井筒屋の三代目になったのか、幸の妹・結がその後どうなったのかなど、読者の気になっていた部分が明らかになります。
これらの人物たちは、それぞれが自分の人生を懸命に生きる姿が描かれており、読者に深い感動を与えてくれるでしょう。
シリーズ全体の巻数と位置づけ
「あきない世傳 金と銀」は、2016年から2024年にかけて刊行された時代小説シリーズです。
全部で何冊あるのか、そして特別巻はどういう位置づけなのかを見ていきましょう。
シリーズの全体像
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本編:全13巻(2016年~2022年)
1.源流篇
2.早瀬篇
3.奔流篇
4.貫流篇
5.転流篇
6.本流篇
7.碧流篇
8.瀑布篇
9.淵泉篇
10.合流篇
11.風待ち篇
12.出帆篇
13.大海篇(完結巻) -
特別巻:全2巻(2023年~2024年)
1.契り橋(上巻・2023年8月25日発売)
2.幾世の鈴(下巻・2024年2月29日発売)
本編は「大海篇」で完結しましたが、読者からの要望もあり、特別巻として上下2巻が刊行されました。
これらは本編のスピンオフ(本編から派生した作品)として位置づけられています。
特別巻の役割は、本編では十分に描ききれなかった登場人物たちの背景や心情を掘り下げることです。
本編で気になっていた人物のその後や、語られなかった過去などが描かれています。
また、2025年4月6日からはNHK BSでシーズン2のドラマ放送も予定されており、作品世界がさらに広がっていくことが期待されています。
これは、このシリーズが多くの読者に愛されている証拠と言えるでしょう。
賢輔と幸の恋愛を描いた「契り橋」
上巻「契り橋」の表題作となっている「契り橋」は、賢輔の幸への長年の想いを描いた感動的な物語です。
賢輔は7歳の時に初めて幸(当時14歳)と出会い、それ以来ずっと彼女を慕い続けてきました。
物語の時点で賢輔は40歳近くになっており、30年以上も想いを胸に秘めてきたことになります。
賢輔は大阪本店の九代目当主として店を守る責任があります。
しかし、それは幸と離れ離れになることを意味します。
幸は江戸店を任されているからです。
賢輔は「店の責任」と「幸への想い」の間で心が揺れ動きます。
ある日、賢輔が怪我をしたことをきっかけに、二人は互いの気持ちを伝え合うことができました。
賢輔は幸に対して「ご寮さんは金、私は銀。
何もかも、ふたり一緒やったら乗越えられます。
大阪で、ともに商いの橋を架けとおます」と想いを伝えます。
この言葉には深い意味があります。
「金と銀」はシリーズのタイトルの一部であり、「契り橋」は上巻のタイトルです。
二人が力を合わせて「商いの橋」を架けるという表現は、二人の絆と未来への決意を象徴しています。
当時は女主人と手代が結婚するのは前代未聞でしたが、菊栄の「体面よりも心の方を大切に」という言葉に支えられ、二人は新たな一歩を踏み出します。
長い年月を経て実った二人の愛は、読者の心を温かくしてくれますよ。
惣次が井筒屋になるまでの「風を抱く」
「風を抱く」は、五鈴屋を出奔した惣次(五代目店主)が、どのようにして江戸の両替商・井筒屋の三代目保晴となったのかを描いた物語です。
惣次は本編で、突然五鈴屋を出て行き、後に井筒屋保晴として登場しました。
しかし、その間の経緯は詳しく語られていませんでした。
この短編では、その謎だった期間の物語が明かされます。
惣次は、波村の仁左衛門たちに「店主の器にあらず」と断罪され、五鈴屋も「惣次」の名も捨て、銀3貫を持って江戸へ向かいました。
江戸では「新六」と名乗り、新しい人生を始めようとします。
江戸で惣次(新六)は、伏見町にある小さな銭両替商の婿に望まれます。
家付き娘の雪乃は、幸とは正反対の性格で、痩せていて顔も美しくなく、頭も良くありません。
しかし、惣次は雪乃の素直な性格を好むようになります。
義理の父となる先代保晴と妻・雪乃との生活を通じて、惣次は人間的に成長していきます。
そして、自分の商才を活かして、小さな銭両替商から大きな本両替商へと店を発展させていきました。
この物語を通じて、惣次が単に幸から逃げただけではなく、新たな人生を真剣に歩み始めたことがわかります。
また、幸への複雑な思いを抱えながらも、江戸で彼女を陰ながら見守っていたという一面も描かれています。
惣次の人生の転機を描いたこの物語は、人は変われるということ、そして新しい環境で自分の才能を開花させることができるという希望を教えてくれます。
特別編から見る商いせいでんの世界観
五鈴屋の暖簾を守る家族の物語


「あきない世傳 金と銀」特別巻の下巻「幾世の鈴」には、五鈴屋の暖簾(のれん)を守る家族の物語が描かれています。特に「暖簾」と「幾世の鈴」という短編では、五鈴屋という呉服商(着物を売るお店)の歴史と未来が語られています。
「暖簾」では、八代目店主の周助が暖簾を巡って悩み、決断する姿が描かれています。周助は元々桔梗屋の出身でしたが、五鈴屋の店主となり、その重責に悩みます。また、智蔵(幸の三番目の夫で早くに亡くなった人)の忘れ形見が登場するという驚きの展開もあります。


五鈴屋を守る家族たちの絆は、単なる血のつながりだけではありません。商いを通じて結ばれた縁が、時に血縁よりも強い絆となることが描かれています。「万里一空」(空はひとつに繋がっている)という言葉が出てくるように、様々な縁が結ばれて商売も人生も成り立っているのですね。
この物語では、タイトルの「あきない世傳」の意味も明かされます。「世傳」とは、代々受け継がれる知恵や技術のことです。五鈴屋の商いの精神を、どのように後世に伝えていくのかという問いに、幸と賢輔が答えを見つける過程が感動的に描かれています。
結のその後を描いた「行合の空」
「行合の空」は、幸の妹・結のその後を描いた物語です。
本編では、姉への嫉妬から五鈴屋の染め物の型紙を持ち出すという大きな裏切りを行った結が、その後どうなったのかが描かれています。
結は、夫の元音羽屋忠兵衛とともに小さな旅籠(旅館)を営んでいました。
二人の間には桂と茜という二人の娘がいます。
特に姉の桂は心優しく賢い娘に育っており、旅人のために「見守り袋」を考案するなど、商才も持ち合わせています。
物語の中で、50歳を迎えた結は、長年抱えてきた姉・幸への嫉妬や憎しみと向き合います。
結の心の変化が丁寧に描かれており、最終的には姉の幸せを祈れるようになるという成長が見られます。
興味深いのは、結の娘・桂が考案した「見守り袋」が後に幸の手に渡るという展開です。
直接会うことはなくても、二人の間に細い糸がつながっていることを感じさせる場面でしょう。
読者の多くは結に対して否定的な感情を持っていたかもしれませんが、この短編を読むことで「結にも幸せになってほしい」と思えるような描写がなされています。
人は変われるということ、そして過去の過ちを乗り越えて新たな人生を歩めるという希望が感じられる物語です。
江戸で活躍する菊栄の小間物商
「菊日和」という短編では、江戸に留まり小間物商「菊栄」の店主として活躍する菊栄の姿が描かれています。
菊栄は幸の先夫の先妻であり、深い信頼で結ばれた仲間でもあります。
菊栄は幸以上に個性的で、型にはまらない生き方を貫こうとする女性です。
大阪弁を話す彼女は、賢くてしたたかで茶目っ気がある魅力的な人物として描かれています。
「行人坂の大火」で菊栄の店も焼けてしまいますが、彼女はいち早く店を立て直し、新たな流行りを生み出すべく精進を重ねます。
商才に溢れた彼女の姿は、読者に勇気を与えてくれるでしょう。
また、菊栄と惣次(元五鈴屋の店主で、現在は井筒屋の三代目保晴)との関係も描かれています。
二人は「茶飲み友達」的な関係ですが、それ以上の感情も垣間見えます。
しかし、お互いにそれ以上踏み込まない大人の関係を保っているのが印象的です。
菊栄のような女性が江戸時代に商売をするのは決して簡単なことではなかったはずです。
それでも自分の道を切り開いていく彼女の姿は、現代を生きる私たちにも多くの示唆を与えてくれます。
髙田郁が描く時代小説の完結編
「あきない世傳 金と銀」は、髙田郁氏による時代小説シリーズです。
2016年から2022年にかけて本編全13巻が刊行され、2023年から2024年にかけて特別巻上下2巻が出版されました。
髙田郁氏は「みをつくし料理帖」シリーズでも知られる人気作家です。
彼女の作品の特徴は、才能ある女性が周囲に助けられながら立派に仕事をするという物語展開にあります。
また、徹底した時代考証も特徴で、国会図書館に通い詰めて資料を調べるなど、綿密な下調べに基づいた作品づくりを行っています。
「あきない世傳 金と銀」シリーズの本編タイトル一覧:
1.源流篇
2.早瀬篇
3.奔流篇
4.貫流篇
5.転流篇
6.本流篇
7.碧流篇
8.瀑布篇
9.淵泉篇
10.合流篇
11.風待ち篇
12.出帆篇
13.大海篇(完結巻)
特別巻:
1.契り橋(上巻・2023年8月25日発売)
2.幾世の鈴(下巻・2024年2月29日発売)
このシリーズは、江戸時代の大阪と江戸を舞台に、呉服商「五鈴屋」の人々、特に主人公・幸の成長と活躍を描いた物語です。
商いに生きる人々の人間模様と、時代を超えて受け継がれていく「あきない」の精神が感動的に描かれています。
髙田郁氏は「あとがき」で、次のシリーズについても構想があることや、五鈴屋の後継者たちの物語を不定期に届ける予定であることを明かしています。
ファンにとっては嬉しい知らせですね。
ドラマ化されるシーズン2の見どころ
「あきない世傳 金と銀」は、2023年12月から2024年2月にかけてNHKでドラマ化され、好評を博しました。
そして2025年4月6日からはNHK BSでシーズン2の放送も予定されています。
シーズン1では、幸が大阪の呉服商に奉公に出されてから成長していく姿が描かれました。
しかし、全6回という短い放送期間だったため、幸たちが江戸に出る前の大阪編だけで終わってしまいました。
シーズン2では、いよいよ幸たちが江戸に出てからの物語が描かれると予想されます。
江戸での五鈴屋の発展や、幸と賢輔の関係の進展など、本編の真骨頂とも言える部分が映像化されることでしょう。
ドラマの魅力の一つは、美しい着物を映像で見られることです。
呉服商が舞台の物語だけに、色鮮やかな着物の数々は目を楽しませてくれます。
また、大阪弁や江戸言葉など、時代と地域の言葉遣いも楽しみの一つです。
原作ファンにとっては、菊栄や惣次、結などの個性的なキャラクターがどのような俳優によって演じられるのかも注目ポイントでしょう。
特に結と幸の姉妹関係や、賢輔の幸への想いなど、複雑な人間関係がどう表現されるかも見どころです。
ドラマ化によって、原作をまだ読んでいない人にもこの素晴らしい物語の魅力が伝わることを期待したいと思います。
引用:「あきない世傳 金と銀」小芝風花、初主演となる時代劇の魅力を語る!「現実と非現実のはざまみたいな感覚がある」 | TVガイドWeb
商いせいでん金と銀特別編のあらすじ!8つの物語で紡がれる感動の世界:まとめ
Q&Aでまとめますね。
質問(Q):
「あきない世傳 金と銀」特別巻の内容は?
回答(A):
上巻「契り橋」と下巻「幾世の鈴」の2冊で、各4つの短編が収録されています。
質問(Q):
五鈴屋一族の物語の主な登場人物は?
回答(A):
幸、賢輔、惣次、結、佐助、お竹、菊栄、周助などが重要な役割を果たします。
質問(Q):
シリーズ全体の巻数と特別巻の位置づけは?
回答(A):
本編13巻と特別巻2巻の計15巻で、特別巻は本編のスピンオフです。
質問(Q):
「契り橋」で描かれる賢輔と幸の関係は?
回答(A):
賢輔の幸への30年以上の想いが実る感動的な物語です。
質問(Q):
「風を抱く」で描かれる惣次の物語とは?
回答(A):
五鈴屋を出奔した惣次が井筒屋の三代目になるまでの経緯が明かされます。
質問(Q):
「幾世の鈴」で描かれる五鈴屋の未来は?
回答(A):
還暦を迎えた幸と賢輔が五鈴屋の次の100年を考える物語です。
質問(Q):
結のその後を描いた「行合の空」の内容は?
回答(A):
幸への嫉妬から成長し、姉の幸せを祈れるようになる結の変化が描かれます。
質問(Q):
「菊日和」で描かれる菊栄の活躍は?
回答(A):
江戸で小間物商として新たな流行を生み出す菊栄の奮闘が描かれます。
質問(Q):
髙田郁の時代小説の特徴は?
回答(A):
才能ある女性の活躍と綿密な時代考証が特徴です。
質問(Q):
ドラマ化されるシーズン2の見どころは?
回答(A):
江戸での五鈴屋の発展や、幸と賢輔の関係の進展が期待されます。
この記事では、江戸時代の呉服商を舞台にした人気シリーズの特別巻について、その内容や魅力をご紹介しました。主人公たちの成長や人間関係の変化、そして商いを通じた絆の深まりが丁寧に描かれていて、読んでいて心が温まりますよね。シリーズを読んだことがない方も、この特別巻から入ると登場人物たちの魅力にきっと引き込まれると思います。ドラマ化も決まっているので、原作を読んでからドラマを楽しむのもおすすめですよ。この作品は電子書籍サービスのebookjapanで読むことができます。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。これからも素敵な物語に出会えることを楽しみにしていきましょう!