2025年度前期のNHK連続テレビ小説『あんぱん』。アンパンマンの生みの親であるやなせたかしさんと、その妻・小松暢(のぶ)さんをモデルにしたこの物語は、放送開始前から大きな注目を集めています。
物語の重要な舞台となるのが、高知県の「御免与町(ごめんよちょう)」。実はこの町、架空の名称ですが、モデルとなった実在の町が存在することをご存知でしょうか?
今回は、現地調査と膨大な史実資料の分析に基づき、ドラマの舞台裏と、やなせたかしさんの原点となった高知県南国市「後免町(ごめんちょう)」の知られざる魅力を徹底レポートします。
「なぜ『後免』という名前なのか?」「ドラマと史実の決定的な違いは?」
単なる観光ガイドでは分からない、作品の背景にある深いストーリーを紐解いていきましょう。
※本記事にはドラマのモデルとなった史実や、一部ネタバレを含む可能性がありますのでご注意ください。
この記事で分かること(独自調査)
- ドラマの舞台「御免与町」と実在の「後免町」の完全比較データ
- やなせたかし氏が多感な時期を過ごした「後免」での生活実態
- 現地取材で判明!商店街に隠された7体の石像とアンパンマンのルーツ
- アクセス情報付き!聖地巡礼パーフェクトガイド
徹底比較!朝ドラ『あんぱん』の「御免与町」と実在の「後免町」
ドラマ内で登場する「御免与町(ごめんよちょう)」。非常にユニークな響きですが、このモデルとなったのは高知県南国市に実在する「後免町(ごめんちょう)」です。
当サイトで現地の歴史資料を紐解いたところ、この地名には非常に興味深い歴史的背景が隠されていることが分かりました。
地名の由来:なぜ「ごめん」なのか?
「ごめん」と聞くと謝罪の言葉を連想しますが、由来は全く異なります。
1652年、土佐藩奉行の野中兼山がこの地の振興を図るため、移住者に対して諸役(税金)を免除する触れ書きを出しました。これにより「御免許の町」として栄え、やがて「後免」という地名が定着したのです。
現在でも「後免駅」や「後免町駅」が存在し、電車の行き先表示が「ごめん」となることから、鉄道ファンの間でも愛される珍地名スポットとなっています。
ドラマ設定と史実の「意外な相違点」を分析
朝ドラ『あんぱん』は史実を基にしたフィクションですが、実際のやなせたかしさんの人生とドラマ設定にはいくつかの違いがあります。ここを理解しておくと、ドラマがより深く楽しめます。
| 比較項目 | ドラマ『あんぱん』の設定 | 実際の史実(独自調査) |
| 主人公の関係性 | 幼なじみとして描かれる可能性が高い | 高知新聞社での「同僚」として出会う |
| ヒロインの出身 | 高知県(御免与町) | 小松暢さんは大阪府出身(後に高知へ移住) |
| やなせ氏の転居 | 幼少期に高知へ | 父の急逝により、9歳で東京から後免町の伯父(開業医)のもとへ引き取られる |
特に重要なのが、やなせさんが後免町に来た経緯です。父の死という悲しみを背負い、東京から高知へやってきた9歳の少年。彼を温かく迎え入れたのが、後免町で医院を開業していた伯父の柳瀬寛氏でした。
この伯父さんは文化人で、豊富な蔵書を持っていました。やなせ少年はこの環境で多くの文学や漫画に触れ、後のクリエイティブな才能を開花させる土壌を培ったのです。つまり、後免町こそがアンパンマンの原点と言っても過言ではありません。
現地調査レポート:やなせたかしロードと7体の石像
やなせたかしさんが多感な時期(9歳〜18歳)を過ごした後免町。現在は、町全体が「やなせたかしワールド」として整備されています。実際に現地を歩いて確認した見どころをご紹介します。
後免町商店街(やなせたかしロード)の秘密
後免町商店街は、別名「やなせたかしロード」と呼ばれています。ここには、やなせさんがデザインしたキャラクターの石像が全部で7体設置されており、ファンの聖地となっています。
ここに注目!
設置されている7体の石像リスト:
- アンパンマン
- ばいきんまん
- ドキンちゃん
- メロンパンナちゃん
- ジャムおじさん
- カレーパンマン
- しょくぱんまん
さらに詳しく現地の情報を知りたい方は、あんぱん 朝ドラ 後免 の関係性を紹介する南国市観光協会公式ページも非常に参考になります。マップなどを事前に確認しておくとスムーズに巡礼できるでしょう。
「やなせたかし・ごめん駅前公園」と柳瀬医院跡
もう一つの重要スポットが、土佐くろしお鉄道「ごめん・なはり線」の後免町駅前にある「やなせたかし・ごめん駅前公園」です。
ここはかつて、やなせさんが引き取られて過ごした伯父の柳瀬医院があった跡地です。まさに、やなせ少年の生活の中心地だった場所。
公園内には「やなせたかし先生」の銅像や、キャラクターたちが座っているベンチがあり、絶好のフォトスポットになっています。また、やなせさんがデザインした「ごめん生姜地蔵」も必見です。高知県は生姜の生産量が日本一であり、地元の特産品とやなせワールドが融合したユニークなキャラクターです。
朝ドラ『あんぱん』を10倍楽しむための深掘り情報
キャストの「土佐弁」再現度に注目
ヒロイン・朝田のぶ役の今田美桜さんと、柳井嵩役の北村匠海さん。二人の演技において、地元・高知の方言である「土佐弁」の習得が大きな話題になっています。
特にヒロインのモデルとなった小松暢さんは「ハチキン(男勝りな高知女性)」として知られていました。今田さんが見せる、快活で力強い土佐弁の演技は、ドラマの大きな見どころの一つです。
ドラマ視聴と見逃し配信情報
「朝の放送を見逃してしまった!」「もう一度あのシーンを確認したい」という方のために、視聴環境も整理しました。
- 地上波放送: 月曜〜土曜 午前8:00〜8:15
- 再放送(地上波): 平日 12:45〜13:00
- BS再放送: 土曜 9:30〜11:00(1週間分一挙放送)
- 見逃し配信: NHKプラス(放送後1週間無料)、NHKオンデマンド、U-NEXT
特にU-NEXT経由でNHKオンデマンドを利用すると、過去の朝ドラ作品も併せて視聴できるため、やなせワールドにどっぷり浸かりたい方にはおすすめです。
まとめ:後免町を巡る旅で「あんぱん」の世界をもっと深く
朝ドラ『あんぱん』の舞台、高知県後免町。そこは単なるロケ地というだけでなく、やなせたかしという稀代のクリエイターが育まれた、優しさとユーモアに満ちた場所でした。
最後に、今回の調査の要点をQ&A形式でまとめます。
- Q. 御免与町は実在しますか?
- A. いいえ、ドラマ上の架空の町です。モデルは高知県南国市の「後免町(ごめんちょう)」です。
- Q. 後免町に行けばアンパンマンに会えますか?
- A. はい。「やなせたかしロード(後免町商店街)」には7体の石像があり、駅前公園にもキャラクターのベンチなどが設置されています。
- Q. やなせたかしさんは高知出身ですか?
- A. 生まれは東京ですが、父の死後、9歳から18歳までの多感な時期を後免町の伯父のもとで過ごしました。ここが彼の「心の故郷」と言えます。
ドラマの放送と共に、これからますます注目が集まる後免町。ドラマの聖地巡礼として、そしてやなせたかしさんの原風景を探す旅として、ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。

