大人気サバイバルサスペンス「今際の国のアリス」。原作漫画もNetflix実写ドラマも、多くのファンを魅了しています。しかし、「ドラマと原作ってどこが違うの?」「どっちから見るべき?」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。
この記事では、Netflixドラマ版「今際の国のアリス」と原作漫画の主な違いを、「登場人物」「ストーリー展開」「"げぇむ"の内容」「世界観・設定」「結末」の観点から徹底比較し、分かりやすく解説します。
原作ファンもドラマから入った方も、この記事を読めば双方の違いが明確になり、より深く「今際の国のアリス」の世界を楽しめるはずです!
原作とドラマ版の主な違い【早わかり比較表】
比較ポイント | 原作漫画 | Netflixドラマ版 |
---|---|---|
アリスの性格 | 観察力・洞察力に優れ、比較的冷静沈着。ゲーム理論なども用いる。 | 感情豊かで、より人間味あふれる描写。仲間との絆が強調される。 |
カルベ・チョータ | 序盤で退場するが、アリスの原動力として回想などで登場。 | アリスとの友情がより深く描かれ、退場シーンもドラマティックに。 |
"げぇむ"の種類・順番 | 多種多様な"げぇむ"が登場。順番も異なる。 | 一部の"げぇむ"が変更・統合されている。ストーリーに合わせて順番も調整。 |
キャラクター | 非常に多くのキャラクターが登場。 | 主要キャラクターに焦点が当てられ、一部登場しないキャラや設定変更されたキャラもいる。ドラマオリジナルキャラも存在。 |
描写 | 心理描写が丁寧。グロテスクな描写も多い。 | アクション性が高く、視覚的なインパクト重視。残酷描写はややマイルドに。 |
結末(シーズン2時点) | 全ての"げぇむ"をクリアし、元の世界へ帰還するか選択。 | 基本的な流れは原作を踏襲しつつ、細かな展開やラストシーンに違いあり。(※詳細は後述) |
※上記は代表的な違いの一部です。詳細は各項目で解説します。
1. 登場人物の違い:性格描写や役割の変更点
ドラマ版では、限られた時間の中でストーリーを効果的に見せるため、キャラクター設定にいくつかの変更が加えられています。
主人公アリス:より感情的な人物像へ
原作のアリスは、持ち前の観察眼と論理的な思考で"げぇむ"を攻略していくクールな面が目立ちます。一方、ドラマ版のアリス(山﨑賢人さん)は、仲間を失う悲しみや恐怖をよりストレートに表現し、感情豊かで人間味あふれるキャラクターとして描かれています。視聴者が感情移入しやすいように調整されていると言えるでしょう。
ウサギ:精神的な支えとしての役割
ウサギ(土屋太鳳さん)は、原作でもドラマでもアリスの重要なパートナーです。ドラマ版では、アリスとの精神的な繋がりや支え合う関係性がより丁寧に描かれています。
チシヤ:ミステリアスさと独自の目的
原作でも掴みどころのないチシヤ(村上虹郎さん)ですが、ドラマ版ではさらにミステリアスな雰囲気が強調されています。単独行動が多く、その目的や背景が視聴者の興味を引くように描かれています。
カルベとチョータ:序盤のドラマ性を高める役割
アリスの親友であるカルベ(町田啓太さん)とチョータ(森永悠希さん)。原作でも序盤の重要なキャラクターですが、ドラマ版では彼らとの友情や別れのシーンがより感動的に、時間をかけて描かれており、アリスが"今際の国"で生き抜く覚悟を決める動機付けが強化されています。
ドラマ版オリジナルキャラクター・設定変更
ドラマ版には、原作に登場しないオリジナルキャラクターや、役割が変更されたキャラクターも存在します。例えば、シーズン2に登場する一部のキャラクターの背景などが、ドラマ独自の設定になっています。これにより、物語に新たな展開や深みが加えられています。
2. ストーリー展開の違い:エピソードの省略・統合・順番変更
ドラマ版は、原作の膨大なストーリーをシーズンごとに再構成しています。
エピソードの取捨選択と統合
原作には数多くの"げぇむ"やエピソードが存在しますが、ドラマ版ではストーリーのテンポやテーマ性を考慮し、一部のエピソードが省略されたり、複数のエピソードが統合されたりしています。例えば、原作序盤の細かい"げぇむ"の一部はカットされ、主要な"げぇむ"に焦点が当てられています。
"げぇむ"の順番や内容の変更
ドラマ版では、物語の流れをスムーズにするため、"げぇむ"が登場する順番が原作と異なる場合があります。また、一部の"げぇむ"はルールが変更されたり、ドラマオリジナルの要素が加えられたりして、映像的な面白さやスリルが高められています。
- 例:「らんなうぇい」(かくれんぼ):基本的なルールは同じですが、ドラマ版では視覚的なスリルや登場人物間の駆け引きが強調されています。
- 例:「まじょがり」:ビーチでの重要な"げぇむ"ですが、ドラマ版では人間関係のドラマ性がより濃く描かれています。
3. "げぇむ"の内容の違い:ルールや攻略法の変更点
ストーリー展開の違いとも関連しますが、個々の"げぇむ"のルールや攻略法にも差異が見られます。
ルールの簡略化・変更
原作では複雑な心理戦や頭脳戦が繰り広げられる"げぇむ"も、ドラマ版では視聴者に分かりやすく伝わるよう、ルールが一部簡略化されたり、視覚的に理解しやすいように変更されたりしている場合があります。
ドラマオリジナルの攻略法や展開
原作と同じ"げぇむ"であっても、ドラマ版ではキャラクターの行動や協力体制によって、原作とは異なる攻略法や展開が見られることがあります。これは、ドラマ版のキャラクター設定やテーマ性に合わせた脚色と言えるでしょう。
4. 世界観・設定の違い:テクノロジー描写や雰囲気
物語の舞台となる"今際の国"の描写や、全体的な雰囲気にも違いがあります。
舞台設定の雰囲気
原作漫画は、廃墟となった東京を舞台にしつつも、どこか現実離れした不気味さや静けさが漂います。一方、ドラマ版は、よりリアルな廃墟描写に加え、ゲームによっては近未来的なテクノロジー要素(例:プレイヤーを監視するドローン、高度な映像演出など)が加わり、視覚的なスケール感が大きくなっています。
雰囲気:サスペンスとアクションの強化
ドラマ版は、原作の持つサスペンス要素に加え、アクションシーンが大幅に強化されています。カーチェイスや銃撃戦など、視覚的なエンターテイメント性が高められており、よりスリリングな展開が楽しめます。
また、ドラマ版は原作に比べて、暴力的なシーンや残酷な描写がやや抑えられている傾向にありますが、それでも衝撃的なシーンは多く含まれます。
5. 結末の違い(シーズン2時点・ネタバレ注意)
Netflixドラマ版シーズン2は、原作の結末を概ね踏襲していますが、いくつかの違いも見られます。
基本的な結末は共通
全ての絵札の"げぇむ"をクリアした後、アリスたちは"今際の国"の国民になるか、元の世界に戻るかの選択を迫られます。そして、元の世界に戻ることを選んだアリスたちが、隕石災害の被害者であり、"今際の国"が臨死体験の世界(あるいはそれに類する何か)であったことが示唆される、という大筋は原作と共通しています。
ドラマ版のラストシーンの追加
最大の違いは、ドラマ版シーズン2のラストシーンです。病院の中庭でアリスとウサギが心を通わせるシーンの後、テーブルの上に置かれたトランプが風で舞い上がり、最後に「ジョーカー」のカードが残るという意味深なカットで終了します。
原作にはこのジョーカーに関する明確な描写はなく、ドラマ版独自の追加要素です。これがシーズン3への伏線なのか、あるいは単なる象徴的な演出なのか、様々な考察を呼んでいます。
細かな展開の違い
最終決戦(♦︎K、♣︎K、❤︎Qなど)の展開や、キャラクターたちの生死、元の世界に戻った後の状況など、細かな部分で原作とドラマ版には違いがあります。例えば、一部キャラクターの生存状況が異なったり、再会シーンの描かれ方が違ったりします。
共通するテーマ:「生きること」への問いかけ
多くの違いがある一方で、原作とドラマ版には共通する根源的なテーマが存在します。
「生き残ること」と「生きる意味」
どちらのバージョンも、極限状態の中で「生き残る」ことの厳しさと、「何のために生きるのか」「生きる意味とは何か」という問いを突きつけます。アリスをはじめとする登場人物たちが、"げぇむ"を通して仲間との絆を深め、葛藤し、成長していく姿が描かれています。
心理描写 vs アクション・ドラマ性
原作は、キャラクターの内面や心理描写に重点を置き、"げぇむ"を通して人間の本質や業を描き出しています。一方、ドラマ版は、視覚的なインパクトやアクション、キャラクター間のドラマ性を重視し、よりエンターテイメント性の高い作品として昇華させています。
表現方法は異なりますが、「生きること」への問いかけという核心的なテーマは、双方に共通して流れていると言えるでしょう。
まとめ:原作とドラマ、それぞれの魅力
Netflixドラマ「今際の国のアリス」と原作漫画の違いを比較してきました。
- 原作漫画:丁寧な心理描写、多種多様な"げぇむ"、人間の本質に迫る奥深いストーリーが魅力。
- Netflixドラマ:迫力のアクション、魅力的なキャスト、視覚的なエンターテイメント性と感動的な人間ドラマが魅力。
ドラマ版は原作をリスペクトしつつ、映像作品としての魅力を最大限に引き出すための大胆な脚色が加えられています。どちらが良い・悪いではなく、それぞれに独自の面白さがあります。
原作ファンはドラマ版との違いを楽しむことができ、ドラマから入った方は原作を読むことで、より深くキャラクターや物語の背景を知ることができます。
ぜひ、両方のバージョンを体験して、「今際の国のアリス」の世界を multifaceted に楽しんでみてください!